FXを始める前に知っておきたい3つの事

「FXってそもそも何?」「どうやって利益が出るの?」というあなたのために、まずはFXの概要を知ってもらいましょう。

インターネットが出来る環境があれば、自宅でもスマホでも世界中の通貨を取引できるFX。

FXを始める前に、この魅力やリスクについて詳しく説明していきます。

 

目次

FXって何?

 

FXとは「Foreign Exchange(外国為替証拠金取引)」から作られた造語で、異なる2国間の通貨を売買することにより発生する為替差益を得ることを目的とした取引です。

一見すると堅苦しい感じではありますが、具体的にはどのような稼ぎ方なのでしょうか?

 

通貨を交換して稼ぐ!

 

FXとは、簡潔に表すと「通貨と通貨の交換」です。

 

例えば、

 

あなたはこれから海外旅行に行きます。

場所はアメリカにしましょうか。その場合、銀行や空港の窓口で、円をドルに替えますよね?この時の為替レートが1ドル100円だとした場合、1000ドル分必要ならば、100,000円が必要になります。さて、旅行が終わり、日本に帰ってきたときに1000ドル手元に残っていたとします。(アメリカでお金を使わずに帰ってくることはないと思いますが・・・)

1000ドルを円に戻します。その時の為替レートが1ドル120円になっていたら、1000ドルが120,000円になります。

一度ドルに替えて円に戻しただけで、100,000円が120,000円になったわけです。売買の手数料を考慮しなければ、これだけで20,000円の利益を得たことになります。

こういった日本円と外国の通貨のやりとりだけでなく、日本以外の外国の通貨同士のやりとりも可能です。

 

 

金利を利用して稼ぐ!

 

もう一つの稼ぎ方は異なる2国間の通貨の金利差を利用して稼ぐ方法です。

どういうことかというと、金利の低い通貨で金利の高い通貨を買うと、金利差分が発生するのですが、この金利差を日割りしたものを利益として毎日受け取れます。

この金利差分のことを「スワップポイント」と呼びます。

日本でも銀行にお金を預けると、少額ですが利息が付きます。1万円を預けて数円にしかならないという悲しい現実ですが、世界各国の金利は日本より高いところがほとんどです。よく例にあげられる高金利通貨として有名なのは豪ドルで、1.5%あります。更に高金利で有名な通貨はトルコリラや南アフリカランドで、トルコリラは8.0%、南アフリカランドは6.5%もあります。

ちなみに日本円は0.1%です。超がつくほどの低金利通貨ですね。(2017年11月時点。実際は証券会社によって異なります。)

豪ドルを1万通貨購入した場合を例に上げてみましょう。

豪ドルの金利:1.5%

日本円の金利:0.1%

為替レート:1豪ドル=80円

 

(1)1年間のスワップポイント

80円×10,000通貨×(1.5%-0.1%)=11,200円

 

(2)1日のスワップポイント

11,200÷365≒30.7円

 

実際は為替レートは毎日変わりますし、金利も証券会社によって異なるものですから、固定でつねに稼げるわけではないですが、

毎日支払われるものですので、このスワップポイントを利用して稼ぐことも可能です。

 

FXの魅力とは?

短期売買の投資の代表といえば、FXの他にも株がありますが、株にはないFXの魅力とはどんなものがあるのでしょうか?

 

レバレッジを効かせられる

株は基本的に元本分の取引しかできないため、最低でも10万円以上は必用とされています。

FXの場合、元本が少額であっても自己資本金(証拠金)を担保として預けることで、その数倍~数百倍の金額の取引を行うことができます。これをレバレッジ(てこの作用)をかけるといい、証券会社によって上限が決まっています。

これを使えば、たとえば10万円の証拠金でも、10倍のレバレッジをかけて100万円として取引ができます。その場合、為替差益やスワップポイントで得られる利益も10倍になります。

 

株の信用取引などでもレバレッジはかけられますが、上限が3倍など、FXに比べて低く、高いレバレッジがかけられるのはFXならではの魅力といえます。

 

それでは、実際に例をあげてみましょう。

2018年より、国内の証券会社のレバレッジ規制は10倍となっています。(海外の証券会社は200倍とかもあります。すごい!!)

 

1ドル100円と仮定し、1万通貨の取引をする場合に必要な証拠金

100円×1万通貨=1,000,000円  ←レバレッジ1倍

1,000,000÷10倍=100,000円  ←レバレッジ10倍!!

 

となり、10万円で100万円もの額をとりひきすることが可能になります。

 

ドル円が100円のときに購入し、101円に値上がった場合、

1円×1万通貨=1万円の利益になります。

 

よって、

銀行預金の場合(レバレッジ1倍)

100万円の投資で1万円の利益

 

FXの場合(レバレッジ10倍)

10万円の投資で1万円の利益

 

 

なぜ国内の証券会社はレバレッジ10倍が多いの?

 

レバレッジは高いほど少額で取引できることになり、資金効率が上がるのは大きな利点です。しかし、一方で担保が少額ということは、損失によるリスクもあがり、元本が無くなってしまうまでの金額も少なくなっています。完全にマイナスにならぬように、ロスカットというシステムがありますが、それはまた別の機会に解説します。

日本では、投資者の口座がマイナスになるリスクを考えて、FXのレバレッジは最大でも10倍までという決まりができました。

最大10倍と決められているため、国内の証券会社は最大10倍までとしているところが多いのです。実際の証拠金額は、各FX会社がリスク計算して算出していますのでピッタリ10倍にはなっていませんが、だいたい同じような金額となっています。

 

24時間取引ができる

FXの取引の場は外国為替市場です。インターバンク市場というネットワークで行われます。これは、具体的な取引所があるわけではなく、世界各国の銀行や証券会社などの金融機関が、インターネットを利用して取引を行っています。

このネットワークは世界各国数十カ所以上にあり、どこかが閉まるたびにどこかで取引を開始するというようにリレーのように続き、眠ることを知らない市場を形成しています。

そのため、24時間昼夜を問わず世界のどこかで取引が行われていて、基本的に多くの証券会社が休みとなる土日や祝日を除いて毎日、24時間取引することができます。

日中働いてるサラリーマンの方にとっては、帰宅してから取引ができる分、株よりもとっつきやすいですね。

 

株と比べてリスクが少ない

FXは株の取引と比べて、価格の変動が少ないのが特徴です。

また、株は企業の状況により、株式が急に億の価値になることもあれば、紙くず同然になることもあります。

 

しかし、FXの場合は通貨を取引するので、急に無価値になることは、あり得ないです。

(急に国が消滅したり、全世界の通貨が1つに合併されることは少なくとも、我々が生存してる間にはないと思います。)

 

FXのリスク

FXはたくさんの魅力が詰まっていますが、相反するようにリスクも存在します。FXに伴うリスクも十分に理解しましょう。

 

レバレッジによるリスク

 

FXの魅力では少額の証拠金でもレバレッジを効かせて大きな取引ができるとお伝えしましたが、為替差益がレバレッジ分倍増するように、為替差損も同じように倍増していきます

 

例えば、証拠金を10万円とし、10倍のレバレッジをかけて100万円の取引をしたと仮定します。

1ドル100円のレートでドルを買い、1万ドルをポジションとして持っていて、1ドル99円でその1万ドルを売ると、99万円になります。

レバレッジを10倍に設定しているので、1万円の為替差損を被ったことになります。

実際の証拠金は10万円なので1万円の損失で手元には9万円残ることになります。

レバレッジがかかっていると、何倍もの利益が望めるかわりに、何倍ものマイナスを出してしまうこともあるわけです。

 

初心者にとって、証拠金から10%もマイナスを出すと、間違いなく不安に陥ったり、取り返そうと無茶をしたりするものです。

低レバレッジに抑えるか、損失が出ても2%程度までに抑えるなど、資金管理も重要になってきます。

 

ロスカットやマージンコールによるリスク

 

FXには、証拠金を上回る損失を防ぐために、ロスカットやマージンコールというルールを証券会社が定めてあります。

現在の含み損(保有ポジションに損失が出ている状況)を証拠金から差し引いた証拠金残高が、取引に必要な証拠金の50%程度まで減ると、投資家に連絡がいきます。これをマージンコールといいます。

マージンコールを受けた場合、追加の証拠金(追証)を差し入れて状況の改善を図るのですが、追証の状況が改善されなかったり、あらかじめ設定された必要証拠金維持率(30%程度)を割り込んだ場合は、証拠金がマイナスになるのを防ぐため、強制的に現在のポジションが決済されます(強制ロスカット)。意図しないタイミングでも自動的に強制決済されるので、証拠金の大半を失うことになります。

 

証拠金がマイナスになることがある

 

為替は基本的に急激な変動はありませんが、まれにテロや戦争、政策の変更、経済指標の発表など、特殊な状況下では、為替レートが短期間のうちに激しく動くことがあります。

例えば、2015年1月に起こったスイスフランショックがありますが、このときものの一瞬で40円ほど動きがありました。

あまりにも一瞬すぎる出来事だったので、マージンコールも発動されず一瞬のうちに莫大なマイナスを抱える人も少なからずいました。

 

証拠金を10万円とし、10倍のレバレッジをかけて100万円の取引をしたと仮定します。

レバレッジを10倍に設定しているので、40万円の為替差損を被ったことになります。

実際の証拠金は10万円なので40万円の損失で手元には-30万円の損が発生し、証券会社に30万円の借金を背負う事となります。

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